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福崎 真逢輝さん来校 新着

本校では本日、卒業生で現在藤島部屋に所属して活躍中の力士・福崎 真逢輝さんをお招きし、特別全校朝礼を行いました。今年3月に本校商業科特進ビジネスコースを卒業したばかりの福崎さんは、先日まで行われていた九州場所で見事勝ち越しを果たし、来月の初場所では関取を狙える位置にいるなど、プロとして確かな成長を遂げています。そんな先輩が久しぶりに母校へ戻り、後輩たちに向けて直接言葉を届けてくれました。

講話ではまず、高校時代の相撲部の環境について語られました。福崎さんは、自分たちの代は体が小さな部員が多く、施設も十分とはいえず、指導者も安田先生1人という決して恵まれた環境ではなかったことを振り返りました。しかし、そうした状況を「弱み」として嘆くのではなく、むしろ「どうすれば勝てるか自分たちで考える力を育てる機会になった」と述べ、寮生活を共にした仲間との強い絆やチームワークが他校にはない大きな武器だったと語りました。この積み重ねによって、団体では2大会連続全国ベスト4、個人では全国優勝という結果を生み出した経験を、福崎さんは誇らしげに、しかし飾らずに伝えてくれました。

さらに福崎さんは、好きな言葉のひとつとして「置かれた場所で咲きなさい」を紹介し、「環境のせいにしても何も変わらない。だからこそ、自分が置かれた場所でできることを考えれば必ず結果は変わる」という強いメッセージを後輩たちに送りました。この言葉には、高校時代の苦労や工夫、そしてその中で培った強さが込められており、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。

質疑応答の時間になると、会場の雰囲気は一気に盛り上がりました。生徒たちは次々に手を挙げ、福崎さんも笑顔を交えて一つひとつの質問に丁寧に答えてくれました。「取組中は何を考えていますか?」という質問には、「余計なことを考えると動きが止まるので、自分の力を出し切って誰よりも相撲を楽しむことを意識している」と語り、会場からは感心したようなうなずきが広がりました。また、「大きい相手は怖くないですか?」という質問に対しては、「小さいからこそ皆の希望になりたい。”絶対倒す”という気持ちで取れば大きさは関係ない」と力強く言い切り、その言葉に思わず「おお…!」と声が漏れる生徒もいました。

さらに、「試合前のルーティンは?」という問いでは、「”モグラの歌”を聴くと戦闘モードに入る」と意外な一面を明かし、思わず笑いが起こる場面もありました。プロとしての一日のスケジュール、部屋に入って驚いたこと、小学生から相撲を続けてきた理由など、多岐にわたる質問に対し、福崎さんは時に真剣に、時にユーモアを交えながら答え、生徒たちはメモを取りながら聞き入っていました。福崎さんと生徒たちの温かいやり取りが続き、教室では味わえない「本物の言葉に触れる時間」が会場全体に広がっていきました。

最後に福崎さんは、「高校生活は本当にあっという間で、卒業してまだ一年も経っていないけれど“もっと勉強しておけばよかった”“もっと遊んでおけばよかった”と思うこともある。だからこそ、今の時間を全力で楽しんでほしい」と後輩たちへ温かいエールを送りました。そして相撲の魅力について、「小さな力士が大きな力士に挑む無差別級ならではの迫力こそが相撲の醍醐味」であると語り、「ぜひ一度生で観戦してほしい」と締めくくりました。

今回の特別全校朝礼は、プロの世界で挑戦を続ける先輩の言葉を直接聞く貴重な機会となり、生徒たちにとって自分自身の進路や目標を考える大きな刺激となりました。特に質疑応答では、生徒たちが積極的に質問し、会場が笑いや驚き、感動に包まれるなど、学校行事の中でも印象深い時間となりました。

福崎 真逢輝さん、素晴らしいお話を本当にありがとうございました。これからのさらなるご活躍を心より応援しています。

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