210

「一色一生」

『鵬翼』には、「旅立つ若者たちへ」多くの教職員からのメッセージが綴られています。

 鵬翼3

その1ページ目は、時任 克暢 理事長です。
「餞け」(はなむけ)と題したメッセージの一部をご紹介致します。

 以前、私は、工芸染色家、志村ふくみさんの「一色一生」の本に感銘を受けました。
なかでも特に著者が「桜の花のピンク色」に魅せられ、この色をだすのに苦心する様子を鮮明に表した部分にうたれ、桜の木に興味を覚えたことがあります。

桃が岡8
桃が岡1

桜の木は、樹齢何百年にもなると、幹の部分が腐食し、中が空洞になり、枝葉は表皮の部分に僅かに残った幹に支えられるが、大樹の空洞の根のところから新しい葉が生え、やがて大きくなり、老木の表皮部分の幹をしっかり取り込んで新木と老木が混然一体となり、一回り大きな一本の桜に成長していくことを、作家水上勉さんの著書で読んだことがあります。私はこの話と樟南高校の今の姿に思いを重ねました。

桃が岡4
桃が岡2

理事長は、「鹿商工」から「樟南」へ校名を変更した平成6年の頃を振り返りながら、「博約義塾」からの老木を取り込んで、ゆるぎない大樹(樟南高校)に成長していることに感無量と表現されました。

桃が岡3
桃が岡5

そして、卒業生に向かって、豊かな人生を送るためにも「生涯を通して学習する必要性」をメッセージとして贈られています。

桃が岡7

ここ桃が岡公園に、凛とした、樟南高等学校と共に成長している桜。
心から敬意を払いつつ、春の訪れに感謝したいと思います。
(※本日、何分咲きと言っていいのか分かりませんが、かなり開いています。🌸🌸🌸)

«

»